- 「QOLってよく言われるようになったけど、それって結局なんなの?」
- 「QOL向上って具体的にどうすればいいの?」
といった疑問を持つ方も少なくないとす。
この記事を読むと、
- QOLとは何か
- QOLの重要性
- QOLを下げている原因
- QOLを上げる手段
- 筆者が実際に行っていること
がわかります。
自分の生活を良くしていく方法の手立てが1つでもあるかもしれません。
QOLとは何か
QOL=Quality Of Life の略です。「人生の質」「生活の質」となります。
QOLは、医療や介護の現場、教育の現場でみられるようになっています。
QOLの考え方と同じような名言として、ソクラテス(紀元前5世紀・古代ギリシャの哲学者、前470~399)が「一番大切なことは、単に生きることではなく、善く生きることである」という名言を残しています。(プラトン著『クリトン』より)
QOLは、「その人がその人らしく生活すること」とも言えます。そのための方法は多種多様で人の数だけあります。むしろ、人の数以上にあるでしょう。それまでの生活歴や今の生活、将来の希望など様々な考えや環境の要因などによって生活の幅は無限に広がります。
QOLの重要性
医学・医療はもともと「病気などを治す」ことが目的でしたが、病気が治ってもその生活に満足ができないのでは意味がありません。病気などが治るではなく、その人がしたいと考える生活が質の良い生活となり、それが人生をよりよくするためには必要です。そういった背景もあり、QOLの考え方が重要視されるようになってきたと思います。
作業療法における目標設定でもありますが、何かをしたいといった希望は、それができることが、その人の生活を豊かにすることにつながります。
「貧乏でも幸せ」といった言葉がありますが、お金はもちろん幸せの一つの要因かもしれませんが、生活における質が高いからこそ金銭的な面はそこまで関係ないともいえるでしょう。QOLが高いからこそ幸せと感じられていると言えます。
QOLの評価表としてSF-36やWHO QOL26といったものがあります。ただ、ここでは評価表は省略します。ネットで調べればでくるかと思います。「Q1.自分の生活の質をどのように評価しますか」とか「Q11.自分の容姿(外見)を受け入れることができますか」などなど質問項目がありますが、今時分のQOLを上げたいと考えている人には評価表は重要ではないでしょう。
QOLを下げている原因
QOLを下げている原因としては以下のような内容が考えられます。
- ストレス(職場)
- ストレス(家庭)
- 金銭的問題
- 体力の低下
- 病気・怪我
1.ストレス(職場)
これが現代社会において最も影響があるものかと思います。上司からのセクハラやパワハラ、仕事のできない同僚への不満、ブラック企業的残業、本意ではない配置転換などなど、いくらでもストレスになり得る状況は考えられます。
こういった場合、まわりの人をかえることは難しいです。というよりも不可能に近いです。そのため、自分が変わる必要があります。即効性のある解決策は「転職」になります。あとは、自分の考え方をポジティブに捉えるようにするなどが必要です。
2.ストレス(家庭)
ストレスの原因が職場とは限りません。仕事をしている方が楽、楽しいという人もいて、家に帰るのが苦痛といった場合もあります。
職場とは異なり、家庭の場合にはしっかりと話あって原因を明確にして共有することが必要です。それぞれが思っている部分があると思います。ただ、正直なところ、我慢していた方がうまくいく場合もありますので一概には言えませんが、職場と比較すると方向性を話し合いなどで決めることはできる可能性が高いです。
3.金銭的問題
QOLの重要性のところで「貧乏でも幸せ」という例を挙げましたが、実際問題金銭的な問題は直接QOLの低下につながるのも事実です。「旅行にいく」「欲しいものを買う」「好きな人に貢ぐ」などお金が必要になる場面は多いです。
端的に言えば、「仕事を増やす」ことが目の前のお金を増やすことにつながります。ただ自由な時間も大切なためそのバランスは必要ですね。「働きまくってお金を稼いで好きなことをするのが幸せ」なら働きまくることもQOLが上がるでしょう。
4.体力の低下
端的に言えば、運動不足にあたります。体力の低下もQOLを低下させる要因になります。運動をする方がいいとはいいますが、走り込みとかハードなスポーツというわけではありません。日常生活を過ごす中で疲労を感じない程度に普段から動いていることが重要です。
やりたいことをやるにはそれなりの体力が必要です。仕事をするにも動く動かないにかかわらず体力は必要でしょう。仕事で疲れ切ってなにもできないでは元も子もありません。
5.病気・怪我
突発的な病気や怪我に伴いQOLは低下します。ただ、この場合は、病気や怪我の種類によって異なります。一時的な風邪や軽い怪我であれば治療をして時間経過で治ります。ただ、脳梗塞や脊髄損傷など大きい怪我や病気となると生活への影響は甚大です。もともとの生活と全く同じ生活を送ることは難しくなります。まずは、病気や怪我の状態を理解し、それを踏まえてQOLを上げる方法を考えていく必要があります。リハビリを行う場合には医師や看護師、理学・作業療法士などが目標を設定する際に一緒に考えてくれるので安心してください。
QOLを上げる手段
QOLを上げる手段としてはざっくり下のように挙げられます。
- 物事をポジティブに捉える
- 趣味活動・生きがいを見つける
- より質の高い睡眠をとる
- 健康的な食生活を送る
- 適度な運動を行う
1.物事をポジティブに捉える
最も有効な手段です。常にポジティブに物事を捉えられるようになると飛躍的にQOLが向上します。生活そのものが一緒でも考え方ひとつで変わります。
(例)「朝出かける前に靴紐が切れた」とき、
通常は「なんで出かけるときに切れるんだろう、ショック」と捉えますが、
「出かける前でなんて良かったんだろう、別の靴を選べる」と捉えるだけで、不幸が幸運に変わります。
こういった考え方は日常の中にいくらでもあります。自分なりのポジティブな出来事を見つけていきましょう。
2.趣味活動・生きがいを見つける
これはわかりやすい点です。自分の好きなことややりたいことはしているだけでストレスを発散できます。それをすることで疲れを感じたとしても、その疲れはとても心地よいものとなります。
運動が好きな人はスポーツを、映画鑑が好きな人は映画鑑賞を、寝るのが好きな人は昼寝をと、好きなことをしましょう。また、人の役に立つのに喜びを感じる人はボランティアなどに参加するのも生きがいの一つになるかもしれません。なんにせよ、仕事や家庭以外の世界をもっておくことが重要です。
ただ、趣味だけをし続けることはお勧めしません。理想としては、週のうち何日が曜日を決めてスポーツをするとか、週末が休みの人は土日どちらかの半日は趣味に費やすとか、ある程度決めておく方が良いでしょう。仕事も家庭も趣味も偏り過度になると他の面にも悪影響をおよぼしかねません。
3.より質の高い睡眠をとる
睡眠は人が生きていく上で必要不可欠なものです。三大欲求の一つですね。それをおろそかにして良いことなんて一つもありません。睡眠不足は決判断力を鈍らせ、効率性の低下を招き、失敗やミスを引き起こします。しっかりとした睡眠をとることで昼間の活動がより質の高いものになります。また、昼間の疲労はしっかりと睡眠でとりましょう。
ちなみに睡眠は寝る時間をそろえるよりも、起きる時間をそろえる方がよいと言われています。脳科学的には起きた時間から16時間後頃に自然な眠気がくるように人の身体はなっているようです。
4.健康的な食生活を送る
睡眠と同様に人が生きていく上で必要不可欠なものです。三大欲求の一つですね。好きなものを好きなだけ食べることはある意味QOLが高い状態になるかもしれませんが、健康を阻害してはその生活は長く続きません。栄養バランスよく食事をとり、ときどきご褒美におやつなど好きなものを食べるくらいが良いでしょう。好きなものも常に食べているとそれが当たり前になって特別感がなくなります。ご褒美としての立ち位置に好きなものを用意することで、実感できるQOLは非常に高くなります。特別感は大切ですね。
ちなみに、三大欲求はもう一つあって、人によってQOLの向上につながるかもしれませんが、ここでは省略させていただきます。
5.適度な運動を行う
適度な運動は体力の維持とともに、リラックスや気分転換にもつながります。また、運動が嫌いな人でも生活をするためには、筋肉を動かし、身体を動かし、活動をします。運動が嫌いな人は、運動をするというよりも、日ごろの生活の中で階段を使うとか、一駅多く歩いてみるとか、暇なときに片足立ちをしてみるとか、あまり根詰めずにできることをやってみると良いでしょう。
QOLを上げるために実際に行っていること
ここからはわたし自身がQOLを上げるために実際に行っていることを挙げていきます。ちなみに、運動が嫌いな人です。また大したことはしていません。その点ご了承ください。
1.音楽を聴く
好きな音楽を聴きます。通勤中や睡眠前など何かしながらであったり落ち着きたいときに聞くと良いです。上記でいう趣味活動ですね。
2.楽器を演奏する
これも趣味活動です。もともと吹奏楽やバンドをやっていてドラムを叩きます。自宅では電子ドラムが限界なため、本当はスタジオで生ドラムを叩きたいところですが致し方ないです。叩く環境があるだけ恵まれています。
3.アイスを食べる
昔は毎日食べていましたが、今は1~2週間に一回程度にしています。1週間お疲れ様的な立ち位置ですね。
4.家族と出かける
今はコロナの流行のせいで遠くに出かけられなくなっていますが、週末に家族で近所の公園に行ったり、地域のイベントに行ったりしています。普段と違う場面に行くことは自分自身への刺激にもなります。
5.株をながめる
株の運用も行っています。まぁ含み損ばかりだったりするのですが。ただ数字の動きを見ているだけで落ち着くというやや変態的な面もあり、含み益でも含み損でも以外とストレス発散になっています。最近は、企業の分析がどうのこうのとかも一応勉強はしています。ちなみに、勉強自体も嫌いじゃないのでストレスにはなっていないので大丈夫です。
6.ブログを書く
ブログを書くことも個人的にはQOL向上に寄与していると思っています。人と話すのは好きだけど苦手というやっかいな性格なのに、自分の知っていることは人に伝えて役に立ちたいという面倒くさいタイプなので、ブログを通じて誰かの糧になればと思っています。
他にもいろいろなことをしていますが、実際人それぞれQOLに寄与する活動は異なるので、自分で見つけていけると良いと思います。もしくはもともと好きなことがあるならばそれの時間をうまく作ることが必要ですね。時間がなければ、まずはなによりポジティブな考え方です。
まとめ
QOLについて話してきました。簡単にまとめると、
- 「生活の質」であり、「その人がその人らしく生活すること」
- ストレスや生活の乱れから低下する
- ポジティブな思考が大切
- 趣味活動など生きがいを見つけることで向上する
- どういった活動がQOLを高めるかは人によって多種多様、自分に当てはまるものを見つける
一般的な内容を中心にお話ししましたが、QOLは日頃の生活を見直すうえで重要な点になります。
ぜひ、普段から物事をポジティブに捉えることを意識して、QOLを向上していけるようになってください。
自分自身のQOLをおろそかにする人は他の人(患者様等)のQOLをしっかりと考えることはなかなか難しいでしょう。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。もし時間がありましたら他の記事も読んでいただけると僥倖です。よろしくお願いします。
それでわっ!