片麻痺の方の掃除機選びはどうする?まず確認するべき3つのことから紹介!

「脳梗塞で片麻痺になってしまったけど、どういった掃除機がいいのだろうか」

「掃除をしたい気持ちはあるけど、もう今の掃除機は使えないしどうしよう」

など、病気を機にやりたい家事(掃除)ができないことで悩んでいる方もいらっしゃると思います。

この記事を読むと、

  • 自分で掃除をする場合に確認すべき3つのこと
  • 病気をする前は気が付かなかったこと
  • 片麻痺になったときにどういう考えで掃除機を選べばよいか

がわかり、選択する際の一つの手がかりになると思います。ぜひ読んでいっていただければと思います。

目次

  1. 確認すべき前提3つ
  2. 掃除の工程(掃除機中心)
  3. 必要な身体機能評価
  4. まとめ

1.確認すべき前提3つ

まず、確認すべき大枠について以下の3点が挙げられます。

  • モチベーション(意欲)
  • ニード(必要性)
  • セーフティ(安全性

モチベーション(意欲)

モチベーション(意欲)はその名の通り、掃除に対する意欲です。

どれだけ自身で掃除をやりたいのか、掃除という家事にどれだけの役割があるのかが重要です。掃除に限らず何かを継続して行っていくにはこのモチベーションが基本となります。意欲のない方は、どんなに使いやすい掃除機を選んだとしても部屋の飾りになってしまうでしょう。

ニード(必要性)

その人(その周囲の環境)によって、掃除が必要かどうかを見極める必要があります。その人自身が行わなければならないのかどうかです。次のセーフティ(安全性)の部分との兼ね合いもありますが、「必要だけど安全でない」のであれば、家族が代行したり、外部のサービスを利用したりする方法も十分に検討の余地があります。

セーフティ(安全性)

このセーフティ(安全性)は3つの中で一番最後に挙げていますが、もっとも判断が難しい部分の一つです。無理をして掃除機を使い、結果転んで怪我をしてしまっては元も子もありません。どの点において危険性が伴うのかを判断する必要があります。そのためにも掃除の工程をしっかりと把握する必要があります。

2.掃除の工程(掃除機中心)

病気などをする前は無意識で一連の掃除機の操作を行っていると思います。そのため、実際にどういった工程があるのか、無意識でどんなことをしていたのか、掃除の工程を大きくざっくりと以下に示します。

  • 掃除機を準備する(掃除機に近づく、持ち上げる、運ぶなど)
  • 掃除機のコンセントをつなげる(コンセントを引き出す、しゃがむ、コンセントをさす、立ち上がるなど)
  • 掃除機の電源を入れる(スイッチをおす、入れる)
  • 掃除機をかける(押す、引く、移動しながら行うなど)
  • 掃除機を止める(スイッチを切る、止める)
  • 掃除機のコンセントを抜く
  • ごみ捨てをする、掃除機のメンテナンスをする(紙パック取り換えや、サイクロンなら小さなブラシで埃をとるなど)
  • 掃除機を片付ける

大雑把にわけると上のようになります。括弧の中はさらに細かくできる部分について簡単にあげています。それぞれの工程がどの程度安全に行うことができるかが大きな判断基準となります。掘り下げて確認していきたいと思います。

掃除機の準備をする

掃除機が置かれている場所に近づき、掃除機を持ち上げる(または引っ張って運ぶ)などの動作が必要になります。充電方式や型によって重さも形状も異なるためそれに合わせた能力が必要です。確認すべき点としては、

  • 掃除機を持ち上げることは可能か
  • 掃除機を目的の場所まで運ぶことは可能か

の2点が主となります。立位バランス能力、歩行能力など物をもっての歩行が最低限できないとなかなか難しい点になります。事前に準備してもらうなどが必要になるかもしれません。

掃除機のコンセントをつなげる、コンセントを抜く

コードレスの場合にはありませんが、使い慣れたコードタイプが良いとか、掃除時間が長いからコンセントがよいといった場合はコンセントタイプを選択することになるかもしれません。その場合に確認すべき点としては、

  • 掃除機からコードを引っ張りだすことができるか
  • 中腰などしゃがむ姿勢をとることができるか
  • コンセントに充電コードをさす(抜く)ことができるか
  • 中腰やしゃがんだ姿勢から立ち上がることができるか
  • コードを巻き取るためのボタンを押せる、押し続けることはできるか

片手でコードを引っ張りだすには大変です。基本的な使い方として黄色のテープまで必ず引き出して使うように書かれていますので、そこまで引っ張りださなければいけません。また、そのコードに引っかからないように気をつけなければなりません。巻き取るときのボタンも以外とどれも固いです。持続して押さなければいけないし、途中で止まったら少し引っ張ってまたボタンを押してとかなり大変な作業となります。それができるかの確認は必要でしょう。

ちなみにコードレスのタイプでも、充電の仕方によって、掃除機をそのままスタンドにはめる形でよいものもあれば、電源コードを本体に直接つながなければいけないものもあります。それによって必要な動作は多少異なります。

掃除機の電源を入れる・切る

  • ボタンを押すことができるか
  • スイッチをスライドすることができるか
  • ボタンを押し続ける(トリガーを引き続ける)ことができるか

スイッチの形状によってスライドするタイプやボタンのタイプ、押している時だけ稼働するタイプ(makitaに多い)などがあります。非麻痺側での操作であれば基本的には関係ないかもしれませんが、押している時だけ稼働するタイプだと押しながら動かすという難易度が高い動作になったりします。自分が欲しいと思っている掃除機のタイプの確認は必要ですね。

ごみ捨てをする、掃除機のメンテナンスをする

以外と盲点になり、難易度も高いのが掃除機のメンテナンスの部分になります。

「そんなの回数少ないし問題ないでしょ!?」

と思う方も多いかもしれませんが実際そうでもありません。紙パック式の印象が強い方ほどそういった考えになりやすいです。それでいて、サイクロンは便利と言っていたりもします。

紙パック式は、

  • 掃除機の蓋を開け紙パックを取りだし捨てる(月1回程度)
  • 紙パックを掃除機に取り付け蓋を閉める

ざっくりというか、上の2点に集約されます。しかも頻度は月に1回程度で問題ないレベルです。ゴミや埃のすべては紙パックがとらえますから、掃除機の掃除自体はほぼ必要ありません。スティックタイプの紙パック式は付け替えが少し変わっているものもありますが、基本的にその頻度との兼ね合いから、多少大変でも、大きな問題ないと思っています。

サイクロン式は、

  • ゴミ埃の溜まっている部分(カップ)を取り出し蓋を開け、カップのごみを捨てる(毎回)
  • カップや蓋についた埃などを付属のブラシでとる
  • カップを取り付ける
  • フィルターを掃除する(吸引力が低下したときなど)

某メーカーではワンタッチでゴミが捨てられる、といったうたい文句がありますが、意外と埃が舞い散ります(実体験、かつ、友人からの意見も)。掃除した後に、また舞い散った周辺の掃除機をかけることになります。

それを置いておいたとしても、付属のブラシでカップの掃除はとても面倒な作業です。しかもこれを掃除ごとにすることがほとんどのサイクロン式の推奨頻度です。吸引力が維持できたとしても、そのために掃除機が頑張り過ぎたら、掃除機自体のバッテリーや寿命の低下につながるため、毎回のメンテナンスは必須です。

このように、ごみ捨てやメンテナンスが一番手間がかかり動作も多いです。実際に家族の協力が得られれば構わないかもしれませんが、やるのが自分自身の場合にはそこまで考えておいた方がよいでしょう。

必要な身体機能評価

この項目を作りましたが、実際には実物を試して上記の内容を確認することが最も確実で実用性が高いです。ただ何もないところで確認できることもあります。

  • 杖なしでの短距離歩行が可能か
  • 杖ありでも軽く地に触れる程度か
  • 手すりなど支持があれば容易に片足立ちは可能か(バランス能力)
  • 掃除機程度の重さの物を持ち上げることができるのか
  • 麻痺していない方の手足の筋力は十分にあるか
  • 掃除を終えるだけの体力があるか

これぐらいは簡単に確認できるでしょう。個人的に考える一例なので、上記すべてを満たせば安全というわけではありません。(※注意や遂行機能など高次脳機能障害などの影響もあり得るからです)

もし車椅子で体力もなく、転倒や怪我の危険性が高いのであれば、QOL向上のためとはいえ掃除機を使用した掃除という作業活動を行うことはお勧めしません。家族等の協力を得るか、バリアフリーに近いのであれば、自動お掃除ロボットなどを選択するべきです。元も子もないかもしれませんが、超ハイリスク・ローリターンになりかねず、安全性を担保するには仕方ありません。

まとめ

片麻痺などの障害をおった方が掃除機を選ぶ際の考える項目としては、

  • 掃除という作業活動に対してモチベーション(意欲)があるか
  • 掃除という作業活動のニード(必要性)は高いか
  • 掃除という作業活動を遂行する中でセーフティ(安全性)は担保できるか

の3点を前提として考え、

  • 自分自身の身体機能を把握する
  • 掃除機の準備やコンセントの抜き差し、ごみ捨てやメンテナンスが可能かどうかを確認する
  • 掃除をする際の作業の工程と比較し、自分自身がその工程が可能かどうか判断する

ことが必要です。

今回はざっくりとした考え方をお話しました。次回以降は特定の商品をあげて、その商品がどういった特性を持っていて、選択するときにはどう考えればよいかを踏まえながら、おすすめを紹介していきたいと考えています。もし何か質問があったり、気になることがあったら気楽にコメントがいただければわかる範囲でお伝えしたいと思います。よろしくお願いします。

時間がありましたら、他の記事も見ていっていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでわっ!

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