今回は非常食について話していきます。
目次
- 非常食は何日分必要?
- 実際量はどれくらい?
- 4日目以降の分はどうする?
- それ以外に準備しておいた方がよいものは?
- まとめ
1.非常食は何日分必要?
結論から言うと、最低でも3日分、余裕があれば1週間分を目標に準備すると良いです。
まず、政府の防災マニュアルで、最低3日分、できれば1週間分を用意しておくことが推奨されています。
理由として挙げられる1つ目の事柄として、震災等が発生した際に、人命救助活動において「72時間の壁」とい言葉があります。これは、人間が飲まず食わずに生き延びられる限界が72時間であるといわれていることや、震災後3日目(72時間)以降に生存率が急激に減少したことなどが根拠になったといわれています。
つまり、震災後72時間は人命救助が最優先に行われていくことになります。ライフラインの復旧や物資の支給なども同時進行で行われていきますが、人命救助が最優先です。そのため、72時間(3日間)は自分の身は自分で守りながら過ごしていくことが必要とされます。
2つ目として、ライフラインの復旧にかかる時間と物資の支給が挙げられます。
ライフラインにおいて、復旧が早い順として、「電気>水道>ガス」とされます。電気は当日から復旧する地域もありますが、9割方が復旧するまでに6日程度かかりました(東日本大震災時)。また、3日程度で7~8割方は復旧します。その後、順々に水道やガスが復旧されていきますが、かなり時間がかかります。3日目あたりまでは何もない中で食事をとったりする必要性が高いことが考えられます。
また、物資の支給についても、届くまで時間がかかることが想定されます。いろいろな地域のデータを見ても3日程度はかかることが想定されています。
わたし自身、東北地方太平洋沖地震の際には茨城県に在住しており、停電や断水などを経験し、近くの学校に配給車が来たのは3日後でした。幸いにも近くのスーパーやその他店舗は被害が大きくなく、数日でいろいろな物資は手に入りましたが、被災地域によってはそうもいかなかったでしょう。
上記の内容からも、最低限でも3日分以上の非常食を用意しておくことが必要不可欠であると考えられます。
2.実際量はどれくらい?
上記期間を踏まえて、実際にどれくらいの量が必要であるのか考えていきたいと思います。
首相官邸のホームページには、
- 飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
- 非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
とされています。ただあまり具体的でないため、実際にわたし自身が考えた一例(3日分)として挙げていきたいと思います。
- 飲料水:9リットル(500㎖のペットボトルがよい)
- 主食(ご飯類):アルファ米・・・4個 レトルトパックのおかゆ(味はいろいろあり)・・・5個
- おかず:カレー類・・・5個 レトルトパック(サンマの蒲焼等)・・・5つ 缶詰(味噌煮など)・・・5つ
- おやつ(糖分):板チョコレート等・・・3枚 飴類・・・1袋 カンパン・・・1缶
こんな感じになります。
飲料水が500㎖(小さなペットボトル)がよいと言ったのは、開封後飲み切れることです。冷蔵庫などないなか飲みかけを常温で置いておくことは時期によっては細菌の繁殖が進んでしまいます。その都度飲み切れる方がよいですし、500㎖であれば持ち運びも便利です。
主食にレトルトのおかゆをいれてあるのは、そのまま食べれるからという理由だけでなく、震災時は食べ物がのどを通らないとか、体調の不安定さから消化不良を起こす可能性も多大に考えられます。そのため、おかゆのように食べやすいものが適していると考えました。食べ応えというとまた少し変わってくるかもしれまんせん。
おかずにカレー類をベースにしたのは、基本的にははずれが少なく栄養バランスも比較的安定している点です。あまり辛いと水分が欲しくなるのでそのあたりは考え方によるかもしれません。レトルトパックや缶詰などのおかずはできるだけ好きなものを見つけておけると良いでしょう。
おやつは必須です。糖分をとり癒し効果としてのチョコレートや、好きな味の飴は心を落ち着かせるために一役買ってくれます。震災時の実体験です。
3.4日目以降の分はどうする?
ここからは、4日目以降の分についてです。
基本的には2.であげたものを倍にして+αを準備すればおおよそ1週間分となります。非常食としての安全第一を考えるとすれば、上記のようになるでしょう。しかし、アルファ米ですべてを準備したりするとなかなか費用がかさみます。4日目以降は配給が開始されたり、電気等のライフラインが復旧してきます。もちろん、大規模な震災の時には復旧に時間がかかるとは思いますが、電気等を使う可能性のあるものを非常食の一部に取り入れても良いでしょう。レトルトパックのご飯やそれに合わせて混ぜご飯(混ぜておにぎりにするもの)、かつ丼や親子丼などのレトルトパウチも取り入れても良いかもしれません。
4.それ以外に準備しておいた方がよいものは?
ここが個性がでる本題です(笑)。
上記は必要最低限として、他に準備しておいた方がよいもの、震災を経験してあった方が良かったと思ったものを上げていきます。
①野菜ジュース
小さい缶ジュースでいいので30缶入段ボール1つあっても良いと思います。震災時の食事はバランスが崩れ野菜が不足します。その際に気持ち程度でも気楽に補填できるものが野菜ジュースです。種類は問わず、飲みやすいものが良いでしょう。
②ドライフルーツ
①と同様に果物類も不足します。ドライフルーツは期限が長く、よく噛んで食べるので満腹中枢を刺激することができます。味気なくなってしまう食事の合間に食べるにも適していると思います。
③エネルギーチャージ系統のゼリードリンク
食欲低下や忙しすぎて食事をとる暇がないなどの際に役立ちます。おなかにたまるとは言い難いですが、一応エネルギー量などは考えられているため、一時的な食事の代用となります。中には、1日分のビタミンを摂れるとうたっている商品もあるため、うまく組み合わせると表記上の栄養バランスはある程度考えることができると思います。
④ライトミールブロック
③と近い立ち位置ですが、エネルギーやビタミン系をささっととることができます。これだけの食事となるとかなり味気なく偏りがちになってしまうため、あくまで補填的な立ち位置ではありますが、いろいろな種類があるため、好きなものを見つけておけると良いとも思います。
5.まとめ
今回は非常食について話していきました。
- 最低限3日分(可能であれば1週間分)用意
- 水は3日分でおよそ9ℓ(500㎖ペットボトルが良い)
- 主食(ご飯)はアルファ米を基本に、おかゆなど消化に良いものも検討
- 好きなもの(種類)を見つけておく
が重要な点だと思います。好きなものでないと、震災時に心穏やかに食べることができないですからね。
次回は、非常食の管理方法について、わたし自身が実践していることを踏まえてお話したいと思います。また、別の機会には非常用品についてもお話できればと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。ぜひ、気になる点などありましたらコメントを頂ければと思います。
それでわっ!